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2013年01月の記事は以下のとおりです。

P8X32A QuickStartボード 初期不良解析

PARALLAX社のPropellerという8コアマイコンを搭載したボード、 P8X32A-QuickStart を1年ほど前に購入したのですが、残念なことに初期不良品と判明しました。ダイオードが壊れていたという稀な現象でしたが、原因解明の過程を時系列順で残しておくことにします。

 

不具合の現象

  • 開発環境はVMware上のLinux(Xubuntu)。プロペラ開発環境 BST をインストールして、プロペラボードをUSBに接続。BSTでプロペラボードの接続確認をするが、"No Propeller Found"というエラーメッセージが表示された。RAMおよびROMへの書き込みも不可能。
  • dmesgコマンドを実行して見る限り、FTDIのUSB-シリアル変換チップは正常に認識していた。Arduinoの開発も同じ環境で行っているため、FTDIのドライバはすでにインストールされている状態。
  • ボードを抜いたりさしたり・・・

 

  • VMware上のWindowsXPに開発環境を移行。PARALLAX社の公式開発環境 Propeller Tool と BST をそれぞれインストールした。プロペラボードをUSBに接続するも、現象はLinuxの場合と変わらなかった。デバイスマネージャでFTDIのチップは認識しているが、相変わらず"No Propeller Found"
  • VMware要因を考え、MacBookAirにBSTをインストールした。しかしこれまでと変わらず。(ホストOSのWindowsには余計なツールをインストールしたくないという個人的な事情など…)

 

  • プロペラボードからしばらくの間距離を置いた。経験上、過度に神経を集中しすぎて、無駄な試行錯誤をしないよう一旦対象から一定期間距離を置く。そして正常な判断力が回復してから再度取り掛かる方が早く解決できる。急がば回れ、何事にも休息は必要。
  • 環境を変えても現象は全く同じ。プロペラボード側の要因と考える方が妥当、という判断をここで行う。

 

ハードウェアの解析

  • 資料の収集。P8X32Aマニュアル、ボード回路図、部品配置図等・・・
  • Linuxの開発環境を立ち上げプロペラボードを接続。まず、FTDIチップとマイコンの電源電圧をテスタで確認。FTDIの電源は内蔵レギュレータの3.3V出力を含め問題なし。
  • プロペラマイコンへは、FTDIとは別の経路でUSBの電源から3.3Vレギュレータを通して供給されている。
    20130120_66-1.jpg
    マイコンの電源端子を測ってみると2.4V。さらに辿っていくと、レギュレータには2.6V程度の電圧が印加されていた。回路図から、レギュレータへは5Vに近い電圧が印加されていなければならないはず。

 

  • レギュレータの前にあるダイオード(D12)の両端の電圧をそれぞれ測定。カソード側は2.6V、アノード側は5V付近。ダイオードの順方向電圧が2V以上あるとは考えにくいし、仮にあるとしても電源ラインで使うのは適当ではない。ここで一旦ボードをUSBポートから抜く。ダイオード付近が怪しいとみて、テスタにてカソード側のショートチェック、ダイオードチェックをした。
  • テスタのダイオードチェック機能を使用し確認した結果、どちらの方向から測定しても表示が"OL"(OverLoad-高抵抗)となっていて、ダイオードが壊れている可能性が考えられた。
  • 回路としては、外部電源(Vin)からUSB側へ電流が流れ込むのを阻止するためのダイオードであり、USBのみから電源をとる場合はバイパスさせても問題なし。そこでダイオード両端をショートさせた状態で、ボードをUSBポートに接続し、ツールからの接続チェックとRAMへのプログラムロードを確認した。
  • 前述のLinux環境から、ツールによる接続チェック、プログラムのロードが正常に行われることを確認。不具合の原因がダイオードの故障であると確定。めでたし、めでたし。

 

という具合で、最終的にはダイオードを付け替えることにしました。チップタイプの手持ちがなかったため、1S4を取り付けています。ランドの大きさ的にもちょうど良い感じです。

 

20130120_66-2.jpg

 

さて、この P8X32A-QuickStart ボード特有の現象なのですが、基板に手を近づけたりすると、8個ある青色のLEDが不安定に光ります。というのも、LEDをドライブしているHC541の入力がHi-Z状態で浮いているからです(下図)。

リセット後マイコン側は入力になるので、プログラムで L 出力設定するか、HC541の入力にプルダウン抵抗を付ければ解決できます。とはいえ、プルダウン抵抗つけるのは面倒なので、マイコン(プログラム上)から押さえたほうが実際のところ楽です。

 

20130120_66-3.jpg

 

 

あけましておめでとうございます

今年の初電子工作はVFD時計です。

遥か昔に、日本橋のデジットにてVFDと時計ICのセットを購入し、何年も部品箱の肥やしにしていました。最近はニキシー管のレトロな雰囲気に人気が集まっていますが、それと共にVFDの人気も徐々に出てきているようなので、ちょいと作ってみることにしました。

 

20130114_65-1.jpg

 

回路はセットに添付されている資料とほぼ同じです。変えたところはツェナーダイオードを3端子レギュレータ(79N05)にしている程度です。VFDのフィラメントはDC制御ですが、さほど輝度傾斜も目立たず点灯しています。

先週デジットに寄って確認したところ。今でも10セットくらい残っているみたいです。欲しい方はお早めに。
 

では、今年もよろしくお願いします。

 

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